すみこ
ここ数年、飲食業界でも、スマホ決済、モバイルオーダー、AIによる需要予測等など、 DX化(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいますよね。
効率化の波は止まることを知りませんが、その一方で、今、ある「逆流」が大きなトレンドとして注目されています。
それが「アナログ回帰」です。
なぜ今、あえて手間のかかるアナログが求められているのか、他業界の事例も交えながら、これからの飲食店経営に活かせるヒントを探っていきましょう!
「アナログ回帰」とは・・・
デジタル化・自動化が極限まで進んだ反動として、あえて「不便さ」「手触り」「不完全さ」など、人間らしい価値を再評価し、生活に取り入れようとする動きのこと。
単に「古いもの・レトロな物」とは少し違い、効率やスピードを追い求める社会に疲れた人々が、「自分の五感を刺激してくれるもの」「人の温もりが感じられるもの」を、「新しく贅沢なもの」として捉え直されている、ポジティブな選択のこと。
カメラの祭典「CP+2026」に見る、若年層の「不便さ」への熱狂
2026年2月、世界最大級のカメラと写真映像の祭典「CP+ 2026」が、パシフィコ横浜で開催されました。出展社数は過去最多の148社。


最新のミラーレス一眼やAI搭載、高性能カメラが並ぶ中、特に若い世代の注目を集めていたのが、「ポラロイドカメラ」や「チェキ」、あえて画質を落とした、古い「デジタルカメラ」だったそうです。

スマホで何万枚も高画質な写真が撮れる時代に、「枚数制限があり」「現像するまで結果がわからず」「失敗してもやり直せない」アナログな体験を楽しむ傾向があり、
「綺麗すぎる写真」よりも、指紋がついたり、光が漏れたりする「自分だけの一枚」に、デジタルでは代替不可能な価値を見出しているようです。
なぜ今? あらゆる分野で起きている「アナログ現象」
文房具
紙の手帳にペンを走らせ「自分と向き合う時間」を作る人が増えており、手帳やノートの売り上げが伸びています。紙の質感や書いた時の感触が新鮮に感じられます。
本
読書の時間の、めくる音、インクの匂い、あとどれくらいで読み終わるかという「物理的な重み」が、体験をより深いものにしています。
音楽
サブスクで何千万曲も聴ける時代に、レコードやカセットテープの売上が伸び続けているそうです。
ジャケットを手に取り、針を落とす。音楽を「所有」し、物理的に「触れる」喜びが再発見されています。
娯楽
「デジタルデトックス」という言葉が流行っているように、デジタル画面から離れ、電波や通知に邪魔されない「自分だけの時間」へ没頭するするために、趣味や遊びも自然や五感を感じられる体験型が増えています。

特筆すべきは、決して現代の便利なものから、アナログへ完全移行するわけではなく、
「便利なデジタル」と「情緒的なアナログ」をバランス良く融合させた、「ハイブリッドなライフスタイル」が主流となっているということです。
飲食店におけるアナログ感の代表格「手書きメニュー」
飲食店のアナログツールとして、まず思い浮かぶ、手書きのおすすめメニューや季節のメニュー!
取り入れていらっしゃる店舗様も多いのではないでしょうか?

手書きの温もりがいいですね!オーダーテイクの際の、朱入れのパフォーマンスで、さらにお客様との距離も縮まり、パフォーマンス効果もUP!
※画像は、「炭焼きと日本酒 炉端ヒトイキ。」様より
繁盛店に学ぶ!2026年メニューの傾向
人気店の近年のトレンドとして、「モバイルオーダー」+「冊子のグランドメニュー」+「手書きのおすすめメニュー」を組み合わせる飲食店が増えています。それぞれに特徴・メリットがあるのでまとめてみました!
・「モバイルオーダー」
→注文の機会損出・オーダーミス・オペレーションの軽減、人件費の最適化、インバウンド対応、データ収集・数値化
・「冊子のグランドメニュー」
→店の世界観を表現、雑誌をめくるような見やすさと、エンターテインメント性、「選ぶ楽しさ」が、客単価アップに直結、個々のオーダーではなく、メニューブックを囲んで、お客様同士の会話が自然と弾むワクワク感
・「手書きおすすめメニュー」
→「本当に食べてほしい!」という熱量や、少し不器用でも丁寧に書かれた文字から伝わる誠実さ。「今日仕入れたばかり」「今朝獲れたて」という情報は、お客様にダイレクトに「鮮度」として伝わります。デジタルでは表現しきれない「ライブ感」や「作り手の想い」が、商品価値をより高め、注文意欲を刺激します。
バランス良く取り入れることが、店舗様にとってもお客様にとっても「ストレスのない利便性」と「心動かす体験」を両立させる繁盛店の秘訣です!
事例紹介「炉端ヤ 炭ずみ」様
2026年3月に、大阪の北浜にオープン「炉端ヤ 炭ずみ」様での、弊社で担当した店頭・店内ツールをご紹介します!

ようこそ「炭ずみ」へ!入り口で手書きの看板がお出迎え。期待感が高まります!

シズル感のある美味しそうな画像と、手書きイラストの組み合わせで通行人の足を止めます。

上質な墨絵のデザインとキャッチコピーでお店の雰囲気を伝えます。

入店すぐの目立つ位置に、店のコンセプトやブランドストーリーを描いた黒板を掲示。
店の想いや体温を伝え、ファン化への深化を目指します。

手書きPOPは一枚ずつ筆書きで、心をこめたおもてなしと、美味しそうな店内を演出します。

木札のメニューは、天然木を使用、炭の色に合わせた炭色、手書きの本格感と手作り感を店内にもたらします。

特におすすめの商品は黒板を使用。旬のメニューや、酒メニューなど、ライブ感を伝えるのに最適なツールです。

木製レールを使用したグランドメニュー、店名の刻印でオリジナリティーと高級感が感じられます。

メニューにも墨絵と筆文字を採用。あたたかい手描き感と見やすいレイアウトで、お客様の心に沁み、食欲に響かせます。
■事例協力店舗様
店名:炉端ヤ 炭ずみ
住所:大阪市中央区北浜4丁目8−4 住友ビル 4号館1F(「肥後橋駅」から徒歩2分)
Instagram:robataya_sumizumi
まとめ
2026年、飲食店に求められるのは「デジタルを捨てること」ではありません。 予約や会計などのバックヤードはデジタルで徹底的に効率化し、そこで生まれた「時間の余裕」を、お客様とのアナログな接点に投資することです。
「便利だけど、どこか冷たい寂しい店」ではなく、「スムーズなのに、居心地が良く人の温かさがある店」。
メニュー1枚、接客ひとつに「アナログな温度感」を宿らせることが、競合店との最大の差別化になるはずです。
デジタルで効率化、アナログで感動を。
あなたのお店には、お客様の心に触れる「アナログ」が残っていますか?
メニューデザイン研究所「手書きラボ」では、アナログの温かみを活かしたメニュー制作や、ブランド戦略のご提案を行っています。
トレンドを捉えた店舗づくり、ぜひご相談ください。


