「海鮮が安いだけの店」でお馴染みの繁盛店が始めた”心動かす1万円”とは? 消費者心理を掴むテイクアウトの可能性

皆様はじめまして!MEDIYライターの西浦です。
コロナ禍でテイクアウト需要が増える中、「おうちでHappy体験セット」10,800円というテイクアウトを見つけました!

1万円!?と聞くと高そうなイメージですが、普段お家ではなかなか食べれない高級魚介がびっしり!約30,000円相当の内容が10,800円でテイクアウトできる、超豪華で贅沢な海鮮セットなんです!
これは絶対食べたい!!!という想いを募らせ、いざ食卓に並んだ時はたまらなくHappyな気持ちになりました!!もう盆と正月が一気に来たかのようでテンション上がまくりです!!まさに心を動かされた瞬間でした。
そんなハッピー体験をさせてくれた人は一体どんな人なんだ!? この商品がどんな経緯で生まれたのかを知りたい!!そんな熱い想いから、今回の取材を申し込みました。

取材を快く引き受けていただいたのは、

「おうちでHappy体験セット」生みの親、株式会社 海翔の白井専務です。
「海鮮が安いだけの店」でおなじみの人気店「スタンドふじ」など系列店7店舗展開や鮮魚卸業をされている会社です。

「おうちでHappy体験セット」はいつから、なぜ始めたのですか?

4月の緊急事態宣言で飲食店が休業し始めたころです。市場に新鮮で上質な魚があがってきても買う人がいない・・・。そこで、その魚たちを無駄にしないため、儲けは一切考えず、なんとか魚を捌かさなければという思いで市場を助けるために始めました。

魚は肉と違って冷凍が効かないんです。浜で水揚げされた魚は、3日でダメになるので蒲鉾に行くか処分しかない状況でした。安くは買えるけど、誰も買いに来ないので魚は山積み。買いたくないけど買うしかない。そこは男気です!それなら今しかできないことをしよう!と思ったのが始まりでした。

 

1万円の値段設定は、どういう経緯ですか?

コロナの影響で、ランチ用テイクアウト、店頭すし販売などもやっていたのですが、それなりに反応あるけど周りとそんな変わらない。同じでは面白くなかったので、どうせやるなら1万円で今しかできない何かを考えよう」という設定ありきです。この時期の仕入れは半額~3分の1の価格でいけたので、1万円でいけるだけ!ウニ入れてカニ入れてあわび入れてとにかく高級魚を詰め合わせました。お客様が驚く、今までにないものを作りたかったのです!

 

商品の反響はどうでしたか?

おかげさまで月に2,000セットの注文があり、お客様にも大変喜んでいただけました! インスタでの告知、電話予約のみでスタートしましたが、毎日電話は鳴りっぱなし!町工場が突然流行っていく、そんなイメージ・・・・。まるでドラマのようでした(笑) 初めてのことでオペレーションも分からない、とにかく作ってるけど、1人は電話にかかりっきり、受け取りもぐずる。受付伝票も手書き、取りに来たのに商品がなかったり、言った言わないになることもありました。商品の入れ忘れなど、ヒューマンエラーはありましたが、値打ちない、美味しくないなどの酷評は1件もなかったので、自信には繋がりました! しかしそのうち「今日はあれは入ってないの?」とかお客さんからの要望も多くなりましたね。利益は取ってなく市場を助けるための協力スタンスでやったつもりが、いつの間にか自分たちのスタンスと違ってきてしまってたんですよね。

 

テイクアウトでの気づきや工夫したことはありますか?

スタッフみんな「気持ち」ありきでやっていますので、2,000個作って疲弊するならやっている意味がない。それはもう自分たちの想いと違ってきたと気づき、バタバタの電話受付はやめになりました。(テイクアウトで補充できたのは2,000個ですが、お店を閉めていたので売り上げの補充にはなっていません) このタイミングで、ネット予約の注文のみに変更しました。1万円で単価も高いので、確実にちゃんと作れる量で、確実にお客さんが美味しいと思えるもを、無理なく販売しようということになりました。市場への協力だけではなく、1万円の物を買ってもらうという意識に方向転換し、わざと販売数も減らし、月に500~600セットにしました。「スタッフも楽しい気持ちで、本当に値打ちのあるものをお客さんに届けよう!」と改めて気づけました。

 

今後の展開を教えてください

コロナ後、テイクアウトをやめるかどうか判断していた時に、イートインでは席を間引かなくてはいけない状況になり、今までと同じような売上水準も取れなくなっていました。売上が取れないのなら、中食の方向も考えていった方がいいなと思い始めました。

① 美味しい魚を食べてもらえるシーンに合わせた商品を作っていこうという気持ちから、新たに「海鮮ふじ」として発信していきます。

飲食店に行けない方からもお礼の連絡がありました。車椅子、足が悪いから外食いけない、子供が小さいから出られない、うちみたいなお店はなかなか行きづらい、そんな声もあったので、食べに行けない人のために、「家で美味しいものを食べる」という1つ新たな軸を根付かせていきたいという気持ちに変わりました。また「お盆に家族で」「ちょっとした知人への贈り物に」「お食い初めセット」などニッチな商品への仕掛けも考えています。

② 受け取り店も増やしていこうと考えています。

現在、上本町以外に、西宮でも受け取りができます。

広い地域に根付いていくシーンも考え、今後、関西での受け取り窓口を増やす方向でも動いています。

今まで、遠くて買いに来れなかった方も、ぜひ楽しみにしていてほしいです。

5年後にはこれが当たり前になってるのではないでしょうか。

最後に

新型コロナウイルスの収束はいまだ先行き不透明です。また、収束したとしてもすぐに景気や自粛ムードが回復するわけではありません。飲食店のテイクアウトやデリバリーは決してその場しのぎではなく、中長期的な視点で、新型コロナ長期化に対応できるテイクアウト・デリバリー体制をつくって売上を獲得し、この危機を乗り越えていただきたいという想いです。

アイデアマンの白井専務ありがとうございました!

 

今回購入した商品は

大人のハッピー魚セット(大体2~4人前) 10,800

プロが市場で仕入れるお値打ち高級魚貝!
この日の内容は
お造り(活アワビ、ホタテ、サーモン、イクラ、鱧、ノドグロ、20キロひらまさ、生本マグロ) お寿司(天然本マグロ大トロ、生本マグロ赤身、炙りサワラ、うなぎ、天然鯛)さらに、ズワイガニ丸ごと1匹、てっさ、生うにも付いてました!
内容は毎日変わります。
前日17時までのご予約限定。
ネット注文のみ当日、市場で「今日の魚は値打ちないな、、、」と判断した場合、逆にキャンセルさせていただくことがございます。ご了承ください。その際は再度チャレンジしてください!
■受け取り可能時間:1330分~17
■受け取り場所:旬の素材レストランFuji
大阪市天王寺区東高津町7-11 大阪府教育会館1F

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