緊急事態宣言の延長が目下続いています。アルコールの提供ができない今、メニュー全般を酒類に頼るバー業態は休業を余儀なくされており、依然として苦しい状態が続いています。
そんな苦境下において、涼しげなクリームソーダを看板メニューに期間限定の業態変更を図った東京都のバーが今、話題です。
バーから喫茶店へ、期間限定の業態変更
酒類を提供する飲食店は引き続き休業が求められているほか、酒の提供を取りやめても営業時間を午後8時までに短縮するよう要請されています。こうしたなか、町田市にあるバー「ランバリオン」は、換気や座席を半分に制限するなどの感染対策をとったうえで、酒類を提供しない期間限定の喫茶店「純情喫茶スガハラ」として午後8時までの営業を続けています。
バーテンダーがつくるクリームソーダ
写真引用/ちゃん田さん(Twitter:@chan_ta_asikubi)
酒類の提供ができない状況下で、オーナーの菅原翔さん(37)が腕を振るうのがクリームソーダです。メロンやブルーハワイ、サクラ、ユズ、イチゴ、紅茶などの風味を付けたシロップを使用し、アイスクリームのトッピングの他にも、フルーツや変わり種を施すメニューが用意されています。カクテルコンテストで受賞歴のある卓越した技術によってつくるクリームソーダは、クラシカルな中にも新しさを感じさせる看板メニューとして幅広い客層から人気を集めています。
収束祈願を込めた108のメニュー
「鐘が108回鳴るとコロナが収束する」という願いを込めたラインナップは、緑色や青色の定番のクリームソーダのほかに、桜を煮詰めた自家製シロップを使ったものや、ミントの爽やかな風味が特徴のものなどが人気です。
来店利用されたお客様の反応は?
https://twitter.com/machidaclip/status/1388021860747546626?s=20
https://twitter.com/dice9_9/status/1388361988464529413?s=21
https://twitter.com/meeeS2_/status/1390961711490822150?s=20
上記は来店利用された方のツイートを引用したものですが、一風変わったクリームソーダを思い思いに楽しむ様子が見てとれます。また、普段はバーに足を運ばない若い女性客も今回の業態変更をきっかけに来店し、結果として「ランバリオン」を知るといった認知貢献にも繋がっているようです。
「杉並」、「屋良内科」、「それと便座カバー」… 癖のあるメニュー名
遊び心があるメニュー名も来店客を楽しますひとつの要素を担っています。色や味から浮かんだイメージを四字熟語やアニメのキャラクターなどにちなんで付けられており、味の想像が全くつかない ❝違和感❞ や ❝ギャップ❞ が話題を呼んでいます。迷いがちな数多のメニューを前に、直感で決めてどんなものが出てくるのか?という楽しみ方もあるようです。
町田のバー ランバリオン
改め純情喫茶スガワラへ108種類のメロンソーダは正に圧巻
なお所々に""怪しい""名前のものが…… pic.twitter.com/nypWM3toih— インターネットお嬢さま (@_4sm8) May 3, 2021
レシピを考案するよりも大変だったというメニュー全108種
オーナーの想いとは?
写真引用:苦境のバーが喫茶店に 看板メニューはクリームソーダ|NHK 首都圏のニュース
菅原さんは「スタッフの雇用やバーテンダーの技術を維持し社交の場を守るためにも休業はせず、営業を続けたい。クリームソーダを味わってお客さんが笑顔になってくれればうれしい」と話す一方で、「酒を提供できないならバーを名乗りたくない」というバーオーナーのプライドも期間限定の業態変更へと踏み切る要因となっているようでした。
業態変更で得たものと、気になる今後
コロナの無かった世界がどれだけ自由だったのかと回顧させられる反面、制約の中でも価値を紡ぎ出すオーナーのたくましさに感服させられました。本来の売り上げには遠く及ばずかもしれませんが、今回の取組が「ランバリオン」の認知拡大に寄与したことは大きな価値だと言えそうです。元々お酒を好まない方にとってもバーを身近に感じられるきっかけになったのではないでしょうか。気になる今後ですが、緊急事態宣言が解除されたあともバーのメニューとしてクリームソーダの提供を検討しているということです。
店名:ランバリオン (BAR RUMBULLION)
住所:東京都町田市原町田6-20-10 中野屋ビルB1F
TEL:042-727-1065