飲食店のこれからの店舗デザインに!飛沫防止枠のWOODRON SHIELD(ウッドロン シールド)

MEDIYライターの山﨑です。

2021年5月現在も新型コロナウイルス感染症の勢いはとどまることを知りません。同月7日に政府は4都府県で発令されていた緊急事態宣言を、同月31日まで延長することを発表。また、愛知県と福岡県を対象地域に加えることを明かしました。

大型施設への休業要請は一部緩和されたものの、飲食店は接触を抑えるための措置が継続されており依然と厳しい状況が続きます。

今回はコロナ禍において希薄になるコミュニケーションをデザインで解決する第2弾企画として店舗デザイン(飛沫防止枠)を取り上げます。

関連記事:コロナ禍で際立つ個の時代。飲食店のデザインはどうする?実例で見るパッケージデザイン編

 

「遠ざけるデザイン」と「近づけるデザイン」

対面でのコミュニケーションが避けられる今、飲食店の価値そのものが薄れだしています。人を遠ざけることだけに躍起になり、飲食店が有していた “共有の場” が失われようとしています。今は我慢の時と言ってしまえばそれまでですが、ただ人を遠ざけるだけが得策なのでしょうか?

この先の飲食店の在り方をデザインの力で変えることができるはずです。希薄化する飲食店のコミュニケーションをデザインの力で解決します。

 

1.インフォメーションデザイン

HPやSNS等のユーザー体験型デザインメニューブックなどのグラフィックデザイン等、店舗のインフォメーションを担うデザイン。

2.パッケージデザイン

飲食店の新たな販路として取り組む店舗も多い、テイクアウト&デリバリー向けの包装で使用されるパッケージデザイン

3.店舗デザイン

飛沫感染対策や給換気(陽圧、陰圧)対応、対面レイアウトの見直しなどによって設計されたニューノーマルな店舗デザイン

 

人と人との距離を「遠ざけるデザイン」がある一方で、心の距離を埋める「近づけるデザイン」がwith コロナではより重要だと考えます。感染予防ツールによって生まれる、疎外感、圧迫感を取り払い、安心安全の元で飲食を可能とするのが店舗デザインの役目です。

 

今回はその中から飛沫防止枠の新しい形となる「WOODRON SHIELD(ウッドロン シールド)」※以下、「ウッドロン シールド」をご紹介します。

 

会話も笑顔もクリアに。飛沫防止枠「ウッドロン シールド」

対面が避けられないシーンでの飛沫防止対策に最適なパーテーションが「ウッドロン シールド」です。木製(ウッド)の窓枠と、鉄脚(アイアン)が融合することが名称の語源です。従来のパーテーションやビニールカーテンは見た目の圧迫感に加えて、表情を読み取ることができなかったり、会話も聞き取りにくいというデメリットが目立っていました。その点、「ウッドロン シールド」は機能美に優れていることからカフェやレストランなど、こだわりのインテリアにも馴染む温かみのあるデザインが特長です。

 

手掛けた人は大阪市認定のテクノマスター

開発プロジェクトの発起人である柊谷 篤司(ひらぎたに あつし)さんは金属溶接のスペシャリストとして1977年創業となる柊谷熔接所の代表を務める方です。20年以上のキャリアを持つ2代目として、鉄・ステンはもちろん、加工が難しいとされるアルミや真鍮などの溶接も多種多様な機械と技能を駆使し溶接を施します。ステンレス鋼溶接技能者専門級の資格を有し、寸法精度の厳しいステンレスの製缶や異種金属のロウ付けも行えるなど、その確かな腕前は卓越した技能者のみにだけ与えられる「大阪テクノマスター」の認定保持者でもあります。

 

made in NISHIkuのこだわり

工場がある大阪市西区は元より鋼材と木材を地場産業として発展を遂げてきました。しかし、 近年ではその事業数も数も1/40に減少。ものづくりで地域と地場産業を盛り上げるために、 鉄と木を組み合わせた飛沫防止枠『WOODRON SHEILD』 が誕生しました。木材には日本古来の職人技 『名栗加工』 を施し、鉄部は大阪府より 『なにわの名工』 を受賞した西区在中の職人がより高い品質に仕上げるためにひとつひとつ手作りで完成させています。職人技と職人技 そこにデザインが加わることによって生まれた新しい商品です。

 

柊谷代表に聞く、ものづくりへの想い

左:MEDIYライター山﨑 右:柊谷熔接所 柊谷代表

プロジェクトリーダーの柊谷代表に商品開発から完成までに至った想いを伺いました。

 

柊谷代表:

昨年の夏時分に訪れた西区役所で、申請に詰めかけた人たちでごったがえす受付フロアを目にしました。コロナ感染者が急増した時期とあって受付ブースには飛沫防止用のビニールシートで覆われており、物々しい雰囲気の中でやり取りが行われていましたが、ビニールシートとマスク越しのコミュニケーションはうまくいっていないことが一目瞭然でした。

通い慣れている区役所だっただけにショックは大きく、自分にできることはないかと考えました。そこで以前からお付き合いのあった同区役所の絆つくり課に訪問し、飛沫防止枠を無料贈呈することを決めたのが開発の経緯です。また感染症対策が飲食店においても急がれていたのがこの時期でした。しかし、飛沫防止用のビニールシートは発火しやすいという新たなリスクも生まれていました。様々な問題をクリアにできる、新しい飛沫防止枠をつくることをミッションにしました。

 

西区のスペシャリストが手を組んだプロジェクト

西区を基盤とする経営者仲間に声をかけ、4名からなるプロジェクトチームを立ち上げました。( 鋼材に精通する森鋼材代表、木材スペシャリストの橘商店代表、デザイナーの中島代表)

設置場所によってサイズの異なる枠を約40台納めるにあたり、限られた予算と時間の中でブレストを重ね作成に取り組みました。鋼材、木材、デザインのスペシャリストから様々な角度からの意見が飛び交い、試行錯誤を繰り返し、納品までの2ケ月弱の間に6台ものサンプルを作成しました。

 

 

同じ西区でものづくりに携わってきた仲間達とアイデアを出し合い、ひとつのモノを造りあげたことに大きな意味を感じています。飛沫防止というツール本来の目的をクリアしながらも、明るい気持ちになってもらうデザインを一番に心がけました。機能性とデザインとが渾然一体となって再現できたのが「ウッドロン シールド」だと思います。楽しみを創り出す飲食店の場からコミュニケーションが奪われつつある今、価値を取り戻すためのツールとして使用してもらえたら嬉しいです。

 

寄贈式の記念写真に納まる中島さん、橘さん、岸本区長、柊谷さん、森さん(左から)

 

細部にまで光る、ものづくりへのこだわり

スペシャリスト4名によるものづくりへのこだわりは細部にまで至ります。

名栗加工

耐久性・耐水性に優れた高級木材である栗木を使用し、角材や板に「突きのみ」や「ちょうな」、「与岐」などで独特の削り痕を残す日本古来の名栗加工を施しています。

オリジナルのリラックスカラーは全3色

左:PALE SKY 中:PINK DONKEY 右:WET SOIL

グレーとベージュの両方の良さを併せ持つ流行色のグレージュを基調に、シーンによって受け手が得られるイメージやパワーをカラーに込め調合。オリジナルの3色が希望や温かみを添えて店内を彩ります。

溶接加工

外観を意識し、繋ぎ目がわからないように金属に熱を加え接合する加工を施しています。これにより前と後ろからでもスッキリとしたデザインで楽しいひとときを邪魔しません。

 

【WOOD×IRON】「ウッドロン シールド」の仕様

家具のような飛沫防止枠「WOODRON SHIELD 」

 

■パネルサイズ(cm)

Sサイズ:W50×H40
Mサイズ:W90×H60

 

■足長さ(cm):定型サイズ 16 / カスタム10 〜 40

 

■素材:栗の木 / 鉄(着色) / アクリル

 

※4台以上の購入でサイズオーダーが可能です

 

まとめ

インタビュー中に「ウッドロン シールド」に触れてみた所、鉄特有のずっしりとした重みを感じられ安定感抜群でした。この安定感は毎日の拭き掃除もしやすい印象を受けました。また今回のインタビューは「ウッドロン シールド」を利用しての対話形式で行いましたが、相手の表情と声とをしっかり見聞きできたことから意思疎通できる喜びを改めて知ることができました。機能的でありながら、使う人(お店側もお客側)の気持ちに配慮されたデザインは単純に気持ちの良いものだと思います。このような店舗デザインが増えることで飲食店本来の価値は取り戻せるのではないでしょうか?最後に感染防止対策の一環として小規模事業者持続化補助金ものづくり補助金で購入支援できる制度もあるので是非ご参照ください。メニューデザイン研究所ではコロナ禍でも、人と人とが寄り添えるデザインでこれからの飲食店を応援します!

 

お問合せとご注文は下記からしていただけます

creema

THE ONOE FURNITURES

 

販売元:柊谷熔接所(HIRAGITANI WELDING)
住所:大阪府大阪市西区九条南3-23-23
TEL:06-6581-1805