MEDIYライターの山崎です。
政府は20日、3回目となる緊急事態宣言発令の方針を固めました。東京、大阪、兵庫の3都府県を対象に、感染の急拡大に歯止めがかからず、医療のひっ迫が深刻さを増している状況下では、さらに強い対策が講じられるようです。
既に多くのメディアが取り上げていますが、飲食店を主軸に過去2回の発令と、まん延防止等重点措置との違いについてまとめています。
“まん延防止措置” 効果が不十分との判断
20日に行われた大阪府の対策本部会議では、「まん延防止等重点措置」が適用されてから2週間ほどが経過した現在も感染拡大が続いていることや、重症病床の運用率や感染経路の不明者の割合など感染状況を示す指標のうち、ほとんどの指標が最も深刻な「ステージ4」になっていることなどが報告されました。感染拡大を食い止めるためには「まん延防止等重点措置」より強い対策を講じる必要があるとして緊急事態宣言の発出を国に要請することを決定しました。
“宣言”の期間は3週間から1か月を検討
吉村知事は記者会見で、3週間から1か月が期間として適切だとコメントしています。続けて人出を抑えるための措置として、百貨店や商業施設にテーマパークなどの大規模な集客施設を中心に休業を要請したいとしていますが、飲食店もその対象であることが明らかになっています。具体的な措置とは何なのか?調整段階の内容を見ていきます。
3回目の “宣言” で飲食店はどうなる?
3都府県の中で初めに要請の声を上げた大阪府の検討案を元に、これまで2回の宣言と比較します。
過去2回の緊急事態宣言との比較
引用:NHK NEWS WEB
赤で示されているのが「休業」などの措置。青が「時短営業」などです。
去年の1回目の宣言の時には「休業」などが幅広く行われました。
一方、2回目の宣言では青で示した「時短営業」などが多くなっています。
3回目となる今回はまだ検討段階ですが、過去のどれよりも厳しい措置が敷かれそうです。
「まん延防止等重点措置」と「3回目の緊急事態宣言」との比較
引用:日テレNEWS24
上記の図は東京都においての「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」の違いを比較したものです。東京都では12日からまん延防止等重点措置が始まりましたが、大阪府同様に効果が見られないことから「緊急事態宣言」を要請する方針を固めました。主な両者の違いを下記にもまとめています。
「基準のレベル」が変わる
大前提として「基準のレベル」が変わります。「まん延防止」は原則、感染状況や医療体制を示すステージが「3」。「緊急事態宣言」では最も厳しい状況を表すステージ「4」が対象となります。
「対象エリア」が変わる
「まん延防止」は原則「市区町村単位」に絞っていたのに対して、「緊急事態宣言」は「都道府県単位」と、より広範囲に適用されます。現在「まん延防止」は23区と一部の市に出されていますが、「緊急事態宣言」では東京都全体になります。
「飲食店への営業要請」が変わる
「まん延防止」では営業時間の短縮要請までだったものが、「緊急事態宣言」では「休業」まで要請できるようになります。命令に従わなかった場合の過料の最高額も20万円から30万円に引き上げられます。 そして、「緊急事態宣言」では「イベント開催」の制限や停止措置ができます。
飲食店への休業要請(酒類提供中止なども)
3回目の発令は過去2回を上回る、より強い措置が飲食店にも課されようとしています。
具体的な措置として
- 「すべての飲食店に休業を要請する」
- 「土日・祝日は休業を要請し平日は午後8時までの営業としたうえで酒類の提供はしない」
- 「休業の要請はしないものの営業時間は午後8時までで酒類の提供はしない」
上記3つの案で大阪府は国と措置の調整を行うことになります。
最後に
今回の記事では飲食店を主軸に21日現在までに出されている情報をまとめた内容でお伝えしました。3回目の発令では過去のどれよりも厳しい措置が飲食店に課せられることが想定されます。そのひとつに、アルコールを提供しないという条件付きでの営業が検討されていますが、これに対して『アルコール無しでは居酒屋には客が来ない。いっそのこと休業要請とはっきり声に出してほしい。』といった、困惑の声が早くもあがってもいます。大きな決断が下されることに間違いありませんが、早めの対策ができるよう情報の更新を行なってまいります。