メニューデザイン研究所C級コピーライターの山崎です。
ちなみにCとは、ビタミンCのことを言います。(しょうもな)
飲食店様にフレッシュな情報をお届けしたい切に思っているのですが、昨今のメニュー市場を見渡すとそうもいかないのです。
紙のメニューって、もう取り残されてる??
歯がゆさ、もどかしさを感じずにはいられない、自称紙のメニュー屋さん代表の山崎が今、タッチパネル、モバイルオーダーに思うことを書きなぐりましたのでご覧ください。
タッチパネルのことを考えると、決まって高橋真梨子の歯がゆい唇が頭の中で流れます。
歯がゆさの理由は大き分けて2つです
1.紙媒体の移行(仕事なくなる問題)
2.飲食店の無機質化
時代は急速に、AI化と省人化が進んでおり、外食業界においても雇用が減ることは確実とされています。
例えば、
①入店時:TVモニター
②注文:タッチパネル、モバイルオーダー
③配膳:特急レーン、配膳機、0秒サワー
④お会計:セルフ
新型コロナウィルスによる非接触化も追い風となり、機械が人にとって変わること自体、これ自体は飲食店の救世主、歓迎されてしかるべきだと。
しかし、先日訪れた綺麗で旨い人気の焼肉店で、あの歯がゆい唇がまたもや流れてくるではありませんか。
その某焼肉店のメニューはアナログとデジタルのハイブリッドを採用されており、初回の注文こそは対面オーダーなものの、2回目以降は全てモバイルによるセルフオーダーとなります。
非接触、お店のオペレーションの観点からは100点満点。30品程のオーダーでひとつのミスも無く、お会計から退店まで過ごすことができました。
顧客としても100点満点のはずでしたが、何か物足りなさを感じてしまったのです。
お肉は間違い無く美味しく、一皿ずつにこだわりが感じられる。それでは一体歯がゆさの原因は何なのか?
それは、女性スタッフとのたわいもない会話が限られたことにありました。
(しょうもなー)
飲食店に求めるものは、おいしい食事であることは間違いないはずです。
しかし、無駄のないオペレーションには、当然隙なんてものは無く、注文という尊いきっかけを絶たれたおじさんは、女性店員と楽しくおしゃべりする場を失った最後の世代なのでした。最高級の肉料理も味気なさを感じずにはいられなかったのです。
だったら、最初からガールズバーへ行ってこい、と厳しめのツッコミが入る訳なのですが、合理化に満ちた飲食店はAmazonが小売店を駆逐したように、合理化だけでは測れない本来あるべき食事の楽しみを奪っているように思えるのです。
完璧なオーダーテイク
無駄のない配膳
誤りのないお会計
飲食店にはどこか不定調和があって、なんやかんやのやり取りによって、飲食店の雰囲気は作られているのだと思います。
食べに来たと会い来たが混在するからこそカオスは生まれ、食事は楽しいのだと思います。
では、アナログに何ができるのか?この場をお借りしてデジタルとの比較を行います。
セルフオーダー |
対面オーダー |
(1)自分で選べる商品しか注文しない |
(1)スタッフからの商品説明、おいしさ説明 |
(2)なじみ商品を注文 |
(2)新しいメニューへの挑戦意欲が高い |
(3)いつもと同じような食事 |
(3)いつもと違った食事 |
(4)差別化の実感が弱い |
(4)差別化の実感強く記憶に残る |
(5)再来店力が弱い |
(5)再来店力強い |
(6)値下げ、客単価ダウン |
(6)客単価アップ |
決してセルフオーダーを卑下する気はありません。ただ歯がゆさの源流を辿った時、対面オーダーにはあって、セルフオーダーには無いものがはっきりとあることに気づきました。
その一方で某人気焼肉店の話に戻りますと、できることなら紙メニューはやめてモバイルに一本化したいという、歯がゆさ通りこして意気消沈させる発言を経営者様から直々に言い当てられたことも事実です。(1週間前に起きた実話)
オペレーションの負荷を軽減することで、ここぞという所でパフォーマンスを発揮できるということがセルフの強みと言います。
他にもモバイルオーダーの機能に組み込まれているチップ制の運用が、飲食店で働くスタッフのモチベーションに一役買っていることも大きいとありました。
肩身の狭い紙メニューですが、それでも手放せないのは先に語った飲食店の醍醐味を断ち切れないことが関係していました。
運営の血が通ったツールであり、メニューでお店はどっちにも転ぶ程に重要なツールであることから、伝えたいけど伝えきれないものを言語化してくれているのが紙媒体にしかない価値だとおっしゃられていました。
合理化だけでは人は満足せず、どこか不合理で面倒くさいもの好むのも人でなないでしょうか?
デジタルが悪いのではなく、デジタルが補えないものをアナログが埋め合わせることで、お客様の満足度が上がるのであれば本望です。
まだまだ浅い見解で申し訳ありませんが、これからもデジタルとアナログのより良い共生を探るということで本日の歯がゆさは晴れました。
最後までご覧頂きありがとうございました。