恍惚の表情を浮かべながらも、別案件が優に30は脳裏をよぎっておられるだろう、オーゼットカンパニー岡本 匡洋代表(以下、Jr社長と敬称)にメニュー納品後の声取材を敢行いたしました。
直営100店舗を達成できる“日本の外食業界最期の砦”と称される程の凄腕経営者様から聞く率直な感想とは如何に?
勝良さんとこ、チェーンばかりやっている会社ちゃいますの?
先入観はオーナー様それぞれでありますが、Jr社長がメニューデザイン研究所(以下、MDL)に抱くイメージはこのようなものでした。
巡り合わせが巡り合わせを呼び、オープンが目前に迫る「焼肉 肉どうし天王寺あべの店」様のメニューを作成させて頂くことになりました。
メニューをMDLに依頼してみようと思ったきっかけは?
MDLの勝良社長と仲が良いのもあったけど、そういえば勝良さんと一度も仕事したことなかったと。この人の会社やったら自分のわがまま聞いてくれるんちゃうかなって、オープンが1週間前に迫る中で、思い切って依頼したのがきっかけでした。
メニューはどのように作成されていたのですか?
外部に頼んでもいつでも途中で終わってしまう。最後の着地まで付いてくれている人がいない。デザイン見て、昨日は良いと思ったことが、次の日には全然あかんやんってなることが多くて。デザイン意図ではなくて、その日の気分であったり、実際の店舗で見るとなんかちゃうねんな〜って。出店エリアを訪れてみてはゴロゴロと動く生きものみたいによく変わる。日々インプットする情報が新しくなれば今まで良いとしていた価値観も変わるし覆ることがザラ。これを繰り返しているものだから担当の顔が引きっつていくのがよく分かる。
伝える日本語がない
自分が思っているイメージとかニュアンスって伝えるとなると本当に難しい。言葉がないんよ、頭の中にあるイメージを伝える日本語がない。デザインでチープなイメージや、色気を伝えたいとした時も、チープだけでも受け取れるイメージは千差万別で。色気も自分が感じる色気と相手が感じる色気じゃ全然違ったりで。これに気分も加わったらもうマッチングなんてほぼ無理。
しかし、今回は納まった
納期が極端に無いっていう状況が良い方に転んだっていうのもあるけど、中尾さん(担当ディレクター)と共通言語(店舗)を持てたのが少ない時間の中でも大きなコミュニケーションになったのかな。
あの店の看板だったらメニューはこれと違うなー?とか。ただ互いの擦り合わせだけでは決まり切ったものしか出てこないし、それって作業じゃね?ってなる。そこから飛び越えてくる“何か”がなければ、いくら納期優先でも着地はしなかったと思う。
メニューの仕上がり(良し悪し)を決めるのは何ですか?
第一にお客さんに向いてメニューが作られているかどうか?店の雰囲気に溶け込み、見やすくて美味しさが伝わるものがメニューの良し悪し。
導入して日は浅いがまずまずの結果が出ていると。ただここでの成功事例が異なる全てのエリアに当てはまるかというとそうではないのかも。
依頼した天王寺店はインスタ主体で集客するエリアだし、それが淀屋橋になれば大阪市内だけでも違ってくる。このメニュー調子ええぞ!ってなって、他の店舗も使いたいって言う気持ちも分からなくはないけど、エリアごとにもっと現場からの声が出ても良いのかなって。エリアによって店に来る理由はまちまちだろうから。
これもっと研究してっていうものありますか?
もっと分かりやすく!美味しいものがメニューをパッと見た瞬間に入ってきて、尚且つ自分がこの店でどれくらい使うかイメージが湧くメニューかな。それがモバイルオーダーには伝えられないデザインやと思う。
言ってしまえばお客さんを考えさせないメニュー。ここに選びやすさが加われば機能的にもええんとちゃうかな。
お肉と一品のデザイン構成に変化をつけ、勢いと選びやすさが混在した構成に
MDLに期待することを教えてください!
脳みそ汗かいてまっか?良い意味で。
メニューの枠にとらわれずコンセプトまで決められる重い方を選んで欲しい。それができれば新業態のメニューも依頼したいし。メニューはそれ一冊で店決めてまうほど重要なもんやから。